各部門・センター
脊椎・脊髄センター
各部門・センター紹介
ごあいさつ

脊椎は人の大事な「大黒柱」であり、脊髄は脳と四肢を繋ぐ大切な「電線」です。この重要な器官に機能障害や損傷が生じると、立つことだけでなく座ることさえも障害される場合があり、日常生活に大きな影響を与えることになります。
「脊椎・脊髄センター」は、2025年4月1日付で福岡大学病院診療支援部門に新しく開設されました。
当センターでは、脊椎変性疾患のみでなく、骨粗鬆症性椎体骨折、脊椎脊髄腫瘍、転移性脊椎腫瘍、脊椎脊髄外傷など、幅広い急性期および慢性期の脊椎・脊髄疾患に対応しております。脊椎・脊髄疾患には各論的診断より総論的な病態診断が必要であり、早期の的確な病態診断と適切な治療適応選択が必要です。我々は毎週、脊椎脊髄グループカンファレンスを実施しており、入院・手術症例だけでなく外来で診断や治療に難渋した症例も、神経学的所見と画像診断所見(XP/MRI/CT-myelo)を基に総合的に病態を診断し、病態に応じた内服加療やブロック療法、手術療法について議論しております。
当院での脊椎・脊髄領域の手術数は年々増加しており、2024年には160例を超えています。このニーズに応えるべく、複数の脊椎・脊髄専門医が集結し、より正確かつ集学的な医療を提供できる体制を整えました。当センターの設立により、患者さんの受診すべき診療科が明確となり、複数の医療機関を受診する必要がなくなります。また地域医療機関からの紹介もスムーズになり、患者さんの利便性向上に寄与いたします。さらに、脊椎・脊髄疾患の早期発見や予防にも力を入れ、定期的な検診やリスクの高いグループへの啓発活動も行ってまいります。
今後は他科との包括的マネジメントができるようカンファレンスの輪を広げ、院内だけでなく他院からも積極的にご参加いただき、脊椎脊髄外科疾患の診断・治療について共に研鑽を積める場となることを目指しています。
地域医療機関との密な連携を構築し、救急対応が必要となる脊椎・脊髄疾患に迅速に対応できる体制を整えることで、地域医療の発展にも貢献してまいります。