診療科
呼吸器内科
診療科紹介
ごあいさつ
当科は内科的呼吸器疾患全般を診療の対象としています。予想を超えるスピードで高齢社会となりつつある今、呼吸器疾患の占める比重がますます大きくなっています。喫煙に関連するCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺癌の有病率が増加しており、すでに肺癌は日本人男性の癌死の中で最多となっています。またWHOによれば、2020年には死亡原因の上位10位以内に肺癌などの悪性新生物、肺炎などの呼吸器感染症、結核、COPDがあり、今後これらの呼吸器疾患がさらに増加することが予想されます。一方で、他の専門内科に比して呼吸器内科を専門とする医師が相対的に少なく、呼吸器疾患をより専門的に診ることのできる医師を社会はますます必要としています。事実、当科に受診および入院する患者さんは年を追うごとに増加しています。
外来は病院新館2階にある呼吸器センターで呼吸器外科とともに診療を行っており、常にお互い情報交換しながら迅速な対応を行うとともに、正確な診断と治療を行うよう心がけています。火曜日の午後は禁煙外来(予約制)を、火曜日、木曜日は睡眠時無呼吸症候群の専門外来を行っています。
現在の入院病床数は30床です。入院患者さんの疾患の内訳は肺癌が多数を占め、呼吸器感染症、びまん性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群、COPD憎悪などの入院が続きます。気管支鏡検査(肺生検、気管支肺胞洗浄、超音波気管支鏡など)は入院で行っています。基礎疾患を有する患者さんに合併した肺炎、医療介護関連肺炎は、救急医療の充実とともに増加傾向にあります。気管支喘息の患者数は多いものの、吸入薬の発達によって外来治療が中心となり、入院は減少しました。当院の特徴として、肺移植の適応に関する精査目的で紹介となった患者さんの検査入院を、呼吸器外科と協力して行っています。
治療方針は全症例に対して検討会(カンファレンス)で決定しています。呼吸器外科と放射線科との合同カンファレンス、肺癌、呼吸器感染症、びまん性肺疾患、閉塞性肺疾患の疾患群別カンファレンスを週1回、さらに腫瘍内科と病理部も加わって行う肺癌合同カンファレンスも月1回開催しており、お互いに情報を共有し協力しながら治療方針を検討しています。
特徴・特色
当科は、あらゆる呼吸器疾患に対応しており、移植、肺癌から気管支炎まで、どのような呼吸器疾患にも対応可能という事が特徴としてあげられます。近隣の病院や開業の先生から多くの患者さんのご紹介をいただき、地域医療連携の更なる充実を目指しています。COVID-19対策にも積極的に関与してまいりました。
令和6年4月現在、福岡大学病院呼吸器内科には14名の医師が在籍しています。福岡大学筑紫病院呼吸器内科には石井寛教授をはじめ6名の医師が勤務し、福岡大学西新病院にも2名の常勤医を派遣して常に交流を図り、福岡大学における呼吸器診療のさらなる充実を目指しています。
専門外来
睡眠時無呼吸症候群:火曜日、木曜日 / 禁煙外来:火曜日午後