診療科

総合診療部

診療科紹介

ごあいさつ

診療部長 鍋島 茂樹 Shigeki Nabeshima

当部は、平成17年4月に新設された診療部門です。

近年の医学の発達には目を見張るものがあり、医療は臓器別に高度に専門分化してきています。しかし、患者さん側は最初から「どこそこの病気があるので、この専門科の先生にかかる」、ということはまずありません。最初の診断は家や職場の近くにある一般内科や小児科であったり、救急病院であることがほとんどです。こういった医療機関での最初の診療(プライマリ・ケア)に当たっては、高度な専門知識よりも、幅広い内科診断学の知識と経験が必要です。専門家志向が強い現在、むしろ地域医療に必要とされる優秀なプライマリ・ケアを担う医師の養成が急務です。

当部の役割は、当院において主として初診患者さんや救急患者さんの的確な診断と初期治療を行うことです。また、地域や病院でのプライマリ・ケアのありかたを追求・実践し、信頼できるプライマリ・ケア医を養成することにあります。将来専門分野を持とうと思っている若い医師が、日常診療の基礎となる素養を身につけてもらう場でもあります。

また、当部では、漢方薬による治療を行っています。

漢方薬治療では漢方医学的な問診、診察によって、体のバランスのくずれを判断して、そのバランスの調整をすることのできる漢方薬を使用します。西洋医学的な治療がない場合、または効果が不十分な場合、副作用で治療継続ができない場合なども治療可能なことがあります。

漢方薬による診療は保険診療です。漢方薬は当部以外の多くの診療科でも処方を受けることができます。

特徴・特色

専門分野にかたよらずに内科一般についての外来・入院・救急診療(ER)を行います。

診断のついていない、あるいは難しい疾患、複数の科にまたがる複合疾患、救急疾患などを最も得意としています。必要な場合は、適切な専門外来や地域の通院しやすい医療機関に紹介するというゲートキーパー的な役割も担います。近隣の医療機関から診断困難な症例、複数科にまたがるような症例を紹介いただいています。また、日常診療に漢方医学を取り入れていることも特徴です。

当科は、将来地域医療を担う医師の研修・教育の場であり、特に研修医、若い内科医に対して内科診断学と救急医療の教育を積極的に行っています。毎日17時より症例カンファレンスを行っています。

漢方薬治療の対象になる疾患は以下のものがあります。

  • 関節痛、筋痛、腰痛、神経痛、肩こり等の骨関節筋疾患
  • 脳血管障害、頭痛、めまい、末梢神経障害等の神経疾患
  • 関節リウマチ、強皮症等の膠原病疾患
  • 咽喉頭異常感症、鼻炎、めまい等の耳鼻科疾患
  • 胃炎、機能性胃腸症、腹痛、便秘、下痢等の消化器疾患
  • 冷え症、のぼせ、月経異常、更年期症状等の婦人科疾患
  • 鬱症状、不安障害、認知症等の精神神経疾患
  • 感冒、気管支炎、気管支喘息等の呼吸器疾患
  • 動悸、心臓神経症等の循環器疾患
  • 皮膚炎、じんましん、しもやけ等の皮膚疾患
  • 多尿、排尿障害等の腎、泌尿器科疾患
  • 糖尿病、メタボリック症候群、肥満症、発汗異常
  • 全身倦怠感や原因のわからない不調

医療に関する統計データ

(各年4月〜翌年3月に実施された件数)

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
外来患者数(ER) 2,550 2,555 2,447 2,367 1,386
外来患者数(総診) 6,299 5,531 5,085 4,845 4,392
入院延べ患者数(ER) 2,775 5,354 4,285 4,042 4,137
入院延べ患者数(総診) 3,389

※2017年度より、入院延べ患者数は、ER欄に総診分も合算されています。

専門外来

漢方