診療科

放射線科

診療科紹介

ごあいさつ

診療部長 長町 茂樹 Shigeki Nagamachi

当科の診療内容は大きく次の3つに分かれます。①病院全体のCT/MRI/核医学(PETを含む)などの画像診断の管理および読影、②カテーテルなどを用いた経血管的治療を主とするインターベンショナルラジオロジー(IVR)、③放射線治療です。もちろん通常の外来や入院を通して直接患者さんの主治医として診療する面もありますが、むしろ依頼を受けて他科の外来や入院中の患者さんの診断・治療に関わることの方が多く、当科の特色ともいえます。

現在、当院は3台のMDCT、3台の高磁場MRI、1台のPET-CTポジトロン・エミッション・トモグラフィーを有しています。MDCTは全身を1分ほどで精密に撮像する能力をもち、MRIは体の中で起こっているCTではとらえられない病態を、磁力を用いて画像化します。PET-CTは、糖代謝を画像化することで全身の癌の検出に大きな力を発揮します。これらのup-to-dateな機器を縦横に駆使して、日々画像診断を提供しています。また、IVRではおもに肝細胞癌や肝硬変の経血管的治療、救急医療における止血等を数多く行っています。さらに、放射線治療においては、福岡南地区において、ますます重要な役割を担っていくものと期待されています。

他にも超音波検査も数多く施行しており、放射線科は全身の幅広い疾患を総合的に画像診断し、非浸襲的に「切らずに」治療する科、とも言えます。

特徴・特色

  • 放射線科業務は低侵襲な検査、治療を特色としています。
  • 診断や治療においては、ほぼ全科と関連しており、合同カンファレンス等に参加し、当院の適切な医療提供に貢献しています。
  • 診断の特徴:一般X線撮影、CT、MRI、超音波検査、RI検査により低侵襲な検査を行います。
  • 画像ガイド下の生検も行っています。
  • 治療の特徴:高精度放射線治療、血管内治療、RI治療を行っています。

医療に関する統計データ

代表的な放射線検査および放射線治療数の年次推移

(各年4月〜翌年3月に実施された件数)

2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
CT 28,820 30,015 30,965 31,849 32,309 30,686 32,095
MRI 11,880 12,243 13,252 13,436 12,955 11,431 12,519
超音波 5,140 4,845 4,884 4,857 4,888 4,627 4,721
血管造影・肝動脈塞栓術 310 282 224 199 151 174 176
RI検査(シンチグラフィ) 1,958 1,843 1,895 1,883 1,853 1,676 1,867
RI内用療法 7 3 6 11 8 6 28
PET-CT 1,284 1,093 1,091 1,162 1,128 1,218 1,296
放射線治療外照射 627 576 507 509 518 511 492
放射線治療内照射 RALS 12 3 3 3 11 1 5
強度変調放射線治療 IMRT 53 43 71 51 75 72 96
体幹部定位放射線治療 SBRT 7 5 5 12 13 17 52
前立腺癌IMRTの治療成績
  • 例数:207例 (2010年4月〜2015年12月)
  • 年齢:54〜84歳(中央値71歳)
  • 総線量:74Gy 9例、76Gy 138例、78Gy 60例
  • 観察期間:IMRT開始後47.2か月
T 高リスク 中間リスク 低リスク 合計
1c 46 50 12 108
2a 9 9 2 20
2b 6 7 0 13
2c 13 0 0 13
3a 36 0 0 36
3b 16 0 0 16
4 1 0 0 1
合計 127 66 14 207
IMRT(76グレイ)と3D-CRT(72グレイ)の比較
前立腺癌治療
局所制御と副作用について
  • 再発:11例(4.8%)
  • 副作用
急性 RTOG グレード
膀胱・尿道 0 1 2
92(44%) 89(43%) 26(13%)
直腸 0 1 2
207(100%) 0 0
晩発 RTOG グレード
膀胱・尿道 Grade 2:10、Grade 3:1(total:5.3%)
直腸 Grade 2:6、Grade 3:2(total:3.8%)

RTOG:Acute/Late Radiation Morbidity Scoring Criteria

専門外来

IVR(塞栓、ポート、CTガイド下生検など) / RI内用療法 / 放射線治療相談外来

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