当院について
高度医療機器紹介
福岡大学病院放射線部では、最先端医療機器を完備し医療技術の向上を常に図りながら「より的確な診断・診療」を日々行っており、患者のみなさまへとより良い医療サービスをご提供できるよう、常に医療技術の研鑽を行っております。
当院のMRIは「3.0TMRI機」を含む3台体制、CTは64列機を含むMDCT3台がフル稼働し、2014年2月にはNew Modelの320列機が設置されました。血管造影装置では2011年に3台同時にNew Modelの機器に更新され、腹部専用「IVR-CT機」、脳血管専用装置、心臓専用装置が導入されました。また、PET-CT、放射線治療装置も高性能な機器が稼働しており、これらの機器の一部をご紹介させていただきます。
現在のCTとMRI(2022)
2014年2月より、福岡大学病院にNew ModelのCT装置(CANON社製)が配備されました。この機器は面検出器(area detector)を有し、1回転で320スライス、16cm幅の撮像(volume helical scan)を実現しており、従来機器と比べて短時間でより広範囲、もしくはより高精細な撮像が可能となっています。
また、逐次近似再構成法を応用したノイズ低減法を装備し、被爆の低減が可能になっています。これらを各種臓器の潅流や4次元画像評価などに応用することが期待されています。さらに、異なる管電圧を使用して2つのデータを収集することによりデュアルエネルギー撮像にも対応しています。
2014年2月より、New ModelのMRI装置(Philips社製)が配備されました。この機器では世界で初めてフルデジタル化が実現されており、アナログケーブルによる信号減衰がなくなり、従来機種と比べて約40%の信号雑音比向上が達成されています。また開口径が従来より広く(ワイドボア)、より快適に検査を受けていただけるようになっています。
アプリケーションとしては、脂肪の定量化や脳血流評価(ASL)、適切な撮影位置を自動で調整するSmart Exam機能などの最新ソフトウェアが実装されています。
MRI装置
2012年4月から、GE社製のNew Modelの3.0T MRI機器が配備されました。この装置は、従来の困難であった広い開口径と撮像能力の高性能化を両立しています。広い開口部を活かし、検査時の圧迫感が少ない装置となっています。
このMR機が稼働している部屋は間接照明が施され、落ち着きのある雰囲気の中でリラックスしながらの撮影が可能となっています。またこの装置は、最大の特徴である3T(テスラ)という超高磁場マグネット装置の高い検出能力を生かした画像が得られ、肝の線維化を診断するエラストグラフィや脳血流を診断するASLなどの質の高い診断を行っています。
2021年にはAI(人工知能)を用いた大幅なversionupがなされ、speed、画質共に格段に改良されました。
血管造影装置 [IVR-CT]
2011年4月からNew ModelのSIEMENS社製の胸腹部専用血管造影装置(IVR-CT)が導入されました。血管造影装置にマルチスライスCTを連動させることで、DSAとCTの繰り返し撮像が可能となり、質の高い治療が可能となっています。
CT本体が床のレールに沿って移動可能な自走(スライディングガントリ)方式を採用し、血管造影寝台上で治療手技を行い、必要なときにCTをスライディングさせ、CTスキャンが実施できます。同一寝台にて対応可能なため、患者さんが移動することなくスムーズに治療と検査の切り替えができる複合システムで胸腹部の腫瘍や外傷などの診療に役立っています。
そのほかに、SIEMENS社製の頭部専用血管造影装置、心臓専用血管造影装置もフル稼働して脳血管性病変や心筋梗塞などの診療に用いられています。
PET-CT装置
CANON社製PET-CT装置は、マルチスライスCT装置と高性能検出器を搭載したPET装置をガントリ移動方式により統合したPET-CT装置です。ヘリカルCTにより20秒程度で全身を撮像することができ、PETを含めた検査時間は20分程度で行え、良好な検査画像が得られます。
ガントリ移動方式では、天板移動がないためCTとPETの撮影位置を同一にでき、2つの画像の位置ズレを物理的に抑制します。加えて患者側の移動がないことで快適性も両立できます。
PET検査は脳や腫瘍などの機能検査法として発達してきましたが、近年はCT装置と合体したPET/CT装置が一般的となり、一つの装置で形態と機能の両方が得られるようになりました。
核医学診断用 3検出器回転型SPECT装置
左図は高空間分解能を持つSPECT装置(シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影装置)です。脳と心臓の検査に特化しており、脳血管障害(脳卒中)や認知症などの脳疾患や狭心症などの心疾患の診断に有用であり、待ち時間の短縮と診断精度の向上が期待されます。
右図のSPECT/CT装置では、従来の骨シンチやGaシンチ等の核医学画像にCTによる減弱補正で画質向上を行い、さらに核医学画像とCT画像との高精細な融合画像により診断精度向上を実現しています。
放射線治療装置「外照射用リニアック」
外照射用リニアック2台、腔内照射1台を有します。最新鋭機:Varian HALCYON
最新鋭機「Varian HALCYON」は強度変調回転放射線治療(VMAT)を行うことができます。従来機と比較し照射時間が短縮され患者負担の低減が可能になり、効率良く高品質な治療を提供できるようになりました。
この機器を用いて定位放射線治療も行っており、肺がんや肝臓がんの他に小数個の脳転移、オリゴ転移、脊椎転移も対象にしています。