診療科

呼吸器・乳腺内分泌・小児外科

診療科紹介

ごあいさつ

診療部長 佐藤 寿彦 Toshihiko Sato

私たちの科は、「一般胸部外科グループ」(肺・縦郭疾患に対する外科治療)を中心に、「乳腺および内分泌(甲状腺)グループ」、「小児外科グループ」の3つのグループから構成され、それぞれの領域疾患の外科治療に取り組んでいます。

「一般胸部外科グループ」は、原発性肺がん・転移性肺腫瘍・良性肺腫瘍・炎症性肺疾患・縦郭疾患(腫瘍)等の胸部外科領域疾患すべてを対象としており、他大学にはない特徴として高難易度手術から最新の低侵襲技術をもちいた早期小型肺癌の精密縮小手術に取り組んでいます。重症呼吸不全に対する最終的な救命治療として最近定着してきた脳死・生体肺移植が実施できる全国10か所の移植施設の一つでもあります。「乳腺および内分泌(甲状腺)グループ」は、乳がんの包括的外科治療を中心に、甲状腺や副甲状腺に対する外科治療を担当しています。「小児外科グループ」は、総合周産期母子医療センタ-と協力して、小児外科疾患一般に対応しています。

それぞれの診療グループでは、各学会に認定された専門医・指導医資格を有してその領域に精通・熟練した医師を配置しています。各患者さんへの治療方針は、必要に応じて関連他(多)領域の専門家が加わった「多職種・多領域カンファレンス」で熟慮されたのちに決定され、現在の医療水準に基づいて実施されます。

特徴・特色

一般胸部外科グループ

一般胸部外科グループは、年間手術が700例に達する西日本有数の胸部外科診療グループです。原発性肺がんを主体として縦隔腫瘍・転移性および良性肺腫瘍から自然気胸まで、一般胸部外科におけるすべての領域の外科治療を安全に受けていただくことができます。95%以上の症例をロボットまたは内視鏡手術で小さな傷でおこなっており、2023年度の肺がん手術症例は210例、縦隔腫瘍は34例と九州トップの肺がん治療施設です。一般的な胸部外科手術以外にも気管・気管支疾患への気道再建手術や進行肺がんへの隣接臓器合併切除再建手術、さらには気道インターベンションまで、難度の高い手術・治療にも取り組んでいます。

低侵襲が特徴とされる「胸腔鏡手術」に関しては、最も早くから取り組んできた施設として国内で指導的立場にあります。最小の創で肺癌手術を行う単孔式手術やロボット手術も施行しています。ロボット(Da Vinci)手術においては、Certification(新規術者への技術認証)を行うことのできる九州では初めての教育的施設です。

福岡大学病院は、現在国内に10か所ある脳死肺移植認定施設でもあります。2005年に開始された福岡大学の脳死・生体肺移植プログラムは、2006年に九州で初めての脳死肺移植・生体肺移植を成功させ、第1例目の生体肺移植は、当時世界最少の幼児生体肺移植としても知られています。肺移植は2023年までに83例を施行し、西日本における主要な肺移植施設として実績を伸ばしています。

乳腺および内分泌(甲状腺)グループ

腫瘍学的な見地から総合的に乳がんや内分泌疾患の治療が行えることが福岡大学の乳腺・内分泌外科グループの特色です。多くの専門領域の診療科が協力し、放射線・化学療法・ホルモン療法を含んだ一貫した治療が実施されています。また、乳がん手術においてはがん自体の根治的切除に加えて、術後の整容性を重視した乳房再建術が形成外科との協力で実施されています。

小児外科グループ

福岡大学病院は、福岡県の総合周産期母子医療センタ-に指定されています。院内には小児の外科領域を集中的に管理する小児医療センターも設置されており、小児科・NICU等と連携をとり、あらゆる新生児・乳幼児外科手術に対応できる体制をとっています。また小児に対する内視鏡下手術が提供できる数少ない施設の一つでもあります。

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