各部門・センター
脳卒中センター
各部門・センター紹介
ごあいさつ

脳卒中が原因で入院した患者と、現在通院している患者を合わせた脳卒中の有病者数は174万人と言われており、非常に多くの方が罹患する疾患です。日本人の4人に1人は生涯に1度脳卒中を発症し、いったん脳卒中を発症すると、80%の方には何らかの後遺症が残ると言われています。よって健康寿命の観点から、国も脳卒中診療に注目しており、2018年に脳卒中・循環器病対策基本法が制定され、脳卒中診療を行なう病院の診療体制に対する法整備が進んでいます。このような動きに合わせて、当院でも脳卒中センターを開設する運びとなりました。
脳卒中ってどんな病気? -- 命と健康を脅かす脳血管の病気です
脳卒中(脳血管障害)は脳の血管が破れたり、詰まったりしておこる病気の総称で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があります。脳梗塞は、脳を養っている動脈の一部の血流が悪くなることで酸素やブドウ糖が供給されなくなり、脳細胞が壊死する病気です。脳出血は脳の細い血管が破れて起こります。また脳の動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂することでくも膜下出血が生じます。脳卒中のうち、3分の2以上が脳梗塞です。
脳卒中の治療はチームで支えます -- 救急からリハビリまで一緒に取り組みます
脳卒中患者は救急で受診することが多く、救急体制の整備や、救急隊・地域の開業医の先生方との連携が欠かせません。発症直後は障害を最小限にするため、脳梗塞ならば原因となっている血栓を取り除くための血栓溶解療法やカテーテルによる血栓除去療法を行ないます。脳出血ならば血腫除去術、くも膜下出血ならばコイル塞栓術などを行ないます。薬物療法(脳梗塞であれば血液をさらさらにする薬や脳を保護する薬による治療など)や血圧管理、心疾患や消化管出血、肺炎などの合併症の管理のため、脳卒中専門の病棟に入っていただきます。並行してリハビリテーションや栄養療法を行い、必要な患者さん方にはご自宅で生活を行なうための指導なども行ないます。脳卒中に対する治療は高度かつ複雑であるため、脳卒中センターでは脳神経内科、脳神経外科、救命救急センターの3科で連携して診療を行ない、看護部、栄養部、薬剤部、リハビリテーション部門にも協力をいただいております。
いつでも相談できる体制があります -- 地域とつながる脳卒中診療
現在日本における脳卒中の診療体制は、脳卒中患者を24時間365日受け入れて急性期脳卒中診療を行なうPSC(Primary Stroke Center)と、血栓回収療法などの治療を常時行えるPSCコアに分けられています。PSCコアでは患者や家族の医療、介護に関する情報を提供する脳卒中相談窓口の設置も義務づけられています。当院でも脳卒中相談窓口を立ち上げ、患者さん、ご家族からの脳卒中に関する相談にお答えしております。
われわれ脳卒中センターでは地域医療支援に携わりながら、質の高い脳卒中診療を提供して行きたいと考えています。