小児科

小児等在宅医療推進事業

小児等在宅医療推進事業について

医学の進歩により、人工呼吸器や経管栄養などの医療ケアを受けながら地域で生活をする子どもたちが増加傾向にある中、小児の在宅生活を支える社会資源は十分ではないのが現状です。

当院では、在宅医療を必要とする小児が、安心して暮らせるように地域で在宅医療を支える体制を構築できるような取り組みを福岡県の事業で行っています。

内容

  1. 小児等医療提供ネットワークの構築
  2. 医療と福祉・教育との連携
  3. 課題抽出と検討

3つを柱に取り組みを行っています。

主な活動内容

医療ケアが必要なこどもの退院支援

NICUに入院し医療ケアが在宅で必要なお子様に、退院支援看護師やソーシャルワーカー、病棟医師、看護師、地域で児を支えてくれる関係機関等と協力し、入院早期から退院後まで切れ目ない支援を行っています。

子どもや家族の相談支援

お子様のライフスタイルの変化に合わせ、就学の相談や入園、療育など、退院後の生活での相談・支援を行っています。

自宅訪問

医師、病棟看護師、訪問担当看護師、訪問看護ステーション、相談支援専門員、ヘルパーなど地域で子どもを支える支援者と一緒に自宅を訪問し、病院から在宅へスムーズに移行できるよう支援します。

研修会の開催
  • 多職種研修会
    医療的ケアに関わる医師、訪問看護師、相談支援専門員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、小学校等の教員、保育士、消防士、行政関係者などを対象に研修会を行っています。
  • 小児訪問看護研修
    訪問看護師を対象に実技演習や意見交換など様々な研修会を行っています。
  ※福岡大学病院小児訪問看護研修(2022年10月20日(木)WEB開催)はこちら。
保育園や学校との連携

お子さまの就学の相談や保育園入園など、相談に応じます。保育園に訪問したり、行政や学校と調整しながら安全に通学・通園できるよう、保育・教育体制整備をすすめいきます。

在宅ファイルによるケアの見える化

医療的ケアが必要なお子様が退院をする準備として、個別のケアやスケジュールなどファイルにしてお渡しします。ケア内容を見える化することで、ご家族のケア練習に役立てたり、在宅で関わる方との情報共有に役立てています。

小児慢性特定疾病レスパイト事業

小児慢性特定疾病児とその家族が安心して地域で生活をおくることができるよう、家族の急な入院や冠婚葬祭などの際に医療機関で一時入院を実施する小児慢性特定疾病レスパイト事業をおこなっています。

家族同士の交流会の開催

医療的ケアが必要なお子様と家族が交流できる場として、季節行事(ハロウィンパーティなど)を実施しています。子ども達は楽しく遊び、保護者は交流会や意見交換会などをおこなっています。皆様から頂く貴重な意見を小児在宅医療体制整備につなげていきます。

ニコサロンの開催

NICU・GCU入院中の子どもと家族のよりよい在宅移行に向けた心理的サポート及び在宅生活の情報提供の場として、GCU内にスペースを設け、家族への支援を行っています。

小児在宅連絡協議会の開催

月に1回会議を開催し、研修会の検討や災害対策、症例検討など多職種で話し合いを行い、当事業の内容について報告や検討する場を設けています。

相談

相談窓口ってどんなとこ?

お子様やその家族の方がおうちに帰って安心して過ごせるようサポートします。
おうちに帰ってからの小児在宅の相談や質問にお答えします。
ご家族向けの相談窓口と医療関係者向けの相談窓口を開設しています。
相談はメールにてお受けいたします。

相談内容の例

医療的ケア児のご家族からの相談

仕事復帰をしたいけど、こどもは栄養注入の医療ケアがあります。保育園に通うにはどうしたらいいですか?

行政や保育園とかけあって、入園支援をします。

医療的ケア児のご家族からの相談

胃瘻を作ることを迷っています。胃瘻を作ってからの実際の生活ってどうなるか知りたい。

医師からの説明が受けることができるよう調整します。また、家族間の了解を得て、胃瘻造設しているご家族からお話がきけるよう調整します。

訪問看護からの相談

在宅でリハビリをしているお子様が車椅子や座位保持椅子が必要になってきました。どのように進めていったらよいですか?

外来主治医に相談し、車椅子作成を検討します。療育センターに通っているお子様の場合はそちらを紹介いたします。

訪問看護からの相談

(子どもの主介護者の)お母さんが体調を崩し入院する必要があります。どうしたらよいですか?

在宅に関わる関係者や院内スタッフなどとみんなで話し合いを行い対策を検討します。

相談支援専門員からの相談

支援体制の確認・検討のため、サービス担当者会議を開催しようと思います。会議に参加をお願いします。

スタッフが会議に出席し、支援体制の確認や検討をおこないます。