病院情報の公開
令和6年度 福岡大学病院 病院指標
更新日:2025/09/30
病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
医療の質指標
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0〜 | 10〜 | 20〜 | 30〜 | 40〜 | 50〜 | 60〜 | 70〜 | 80〜 | 90〜 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 1,796 | 844 | 618 | 697 | 1162 | 1,850 | 2,737 | 4,526 | 2,208 | 328 |
当院は、「特定機能病院」「急性期病院」また「大学病院」として、地域の医療機関との機能分化を進め「地域完結型医療」を目的とし、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。当院の入院患者の特徴として、70代の患者さんが最も多く、60歳以上の患者さんの割合は全体の約6割となっています。
一方で、総合周産期母子医療センターを有する当院は小児医療も充実しており、10歳未満の患者さんの割合は全体の約1割となっていることも大きな特徴です。
集計条件:令和6年6月1日~令和7年5月31日までの退院患者 (合計16766)
以下の患者は集計対象外であるため、実際の退院患者数より少ない結果となっています。
- 一般病棟に1回も入院していない患者。(救命救急センター等、一般病棟以外の入院は除外)
- 入院した後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児。
- 臓器移植(『厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和6年厚生労働省告示第 101 号)』に規定)。
- 様式4において医科レセプトのみもしくは歯科レセプトありの患者。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
腫瘍・血液・感染症内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130030xx99xbxx | 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:Bあり | 28 | 18.57 | 12.23 | 0.00% | 74.96 | |
090010xx99x4xx | 乳房の悪性腫瘍-手術なし-処置2:4あり | 26 | 7.00 | 3.64 | 0.00% | 66.31 | |
130030xx99x5xx | 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:5あり | 20 | 24.25 | 19.30 | 5.00% | 66.90 | ○ |
090010xx99x80x | 乳房の悪性腫瘍-手術なし-処置2:8あり-副病:なし | 14 | 4.93 | 3.58 | 0.00% | 56.57 | |
130030xx99x4xx | 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:4あり | 14 | 15.64 | 8.65 | 0.00% | 71.50 |
腫瘍・血液・感染症内科では、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病などの血液疾患に対する薬物療法、および乳腺外科、放射線科と連携して乳がんに対する集約的治療を行っています。高齢者、AYA世代などライフステージに応じて、また合併症をもつ患者さんにも最適な治療を提供できるように、医師、看護師、薬剤師、リハビリ技師、栄養士、ソーシャルワーカーなど多職種が協力して、苦痛の緩和および生活のサポートを含めたがん治療を実践しています。
内分泌・糖尿病内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-処置2:1あり | 72 | 14.78 | 13.77 | 2.78% | 64.28 | |
100202xxxxxx0x | その他の副腎皮質機能低下症-副病:なし | 41 | 5.22 | 8.86 | 0.00% | 54.27 | |
100180xx99000x | 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし | 29 | 4.83 | 5.35 | 0.00% | 56.93 | |
100040xxxxx00x | 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡-処置2:なし-副病:なし | 17 | 11.59 | 13.07 | 0.00% | 56.82 | |
10007xxxxxx0xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-処置2:なし | 16 | 11.38 | 10.46 | 0.00% | 62.75 |
内分泌・糖尿病内科では、糖尿病の教育や血糖コントロール、合併症精査目的の入院を多く担当しています。また、周術期の糖尿病管理にも対応しています。副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍、副腎皮質機能低下症といった内分泌疾患についても負荷試験等の検査を行いその結果の基づいた治療を提供しています。
脳神経内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010155xxxxx00x | 運動ニューロン疾患等-処置2:なし-副病:なし | 35 | 15.51 | 12.28 | 11.43% | 69.77 | |
010160xx99x00x | パーキンソン病-手術なし-処置2:なし-副病:なし | 28 | 16.79 | 17.95 | 14.29% | 72.00 | ○ |
010060xx99x40x | 脳梗塞-手術なし-処置2:4あり-副病:なし | 19 | 17.53 | 16.89 | 47.37% | 75.95 | |
010160xx99x10x | パーキンソン病-手術なし-処置2:1あり-副病:なし | 19 | 14.42 | 18.98 | 15.79% | 61.21 | |
010060xx99x20x | 脳梗塞-手術なし-処置2:2あり-副病:なし | 17 | 15.65 | 16.94 | 41.18% | 74.76 |
脳神経内科では、パーキンソン病および関連疾患の患者さんに対して、頭部MRIや脳血流シンチグラフィ、嚥下機能評価や高次脳機能評価による疾患の診断および定期的な再評価を行い、患者さんに様々な情報をわかりやすく提供しております。また、運動ニューロン疾患の患者さんに対して、針筋電図や超音波検査などの生理学的検査に加え、頭部MRIや脳血流シンチグラフィを用いた放射線学的検査を併用することで、診断率の向上に努めております。
呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし | 117 | 4.55 | 3.03 | 0.85% | 71.58 | ○ |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸-手術なし-処置1:あり | 90 | 2.01 | 2.02 | 0.00% | 50.68 | ○ |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし | 72 | 10.74 | 8.16 | 0.00% | 73.90 | |
040110xxxx00xx | 間質性肺炎-処置1:なし-処置2:なし | 30 | 20.17 | 18.68 | 10.00% | 71.47 | |
040040xx99041x | 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:あり | 27 | 7.85 | 13.08 | 0.00% | 71.67 |
現在、肺癌は癌に伴う死因の中で男性、女性ともに第1位にランクされています。このため、当院でも肺癌の入院患者さんがかなりの割合を占めています。抗がん剤化学療法といった治療のみならず、気管支内視鏡検査入院の患者さんも多く入院されています。また間質性肺炎や睡眠時無呼吸症候群に伴う入院など、当院が特に力をいれている疾病での入院が多くなっています。
消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 297 | 2.82 | 2.57 | 0.00% | 68.18 | ○ |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし | 99 | 8.84 | 8.88 | 11.11% | 75.17 | ○ |
060020xx04xxxx | 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 | 75 | 7.77 | 7.45 | 1.33% | 73.01 | ○ |
060035xx03xxxx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 50 | 6.92 | 6.39 | 0.00% | 69.90 | ○ |
060050xx04xxxx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)-肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 | 43 | 8.21 | 7.32 | 0.00% | 74.09 | ○ |
消化器内科では消化管疾患と肝疾患、胆膵疾患の3本立てで診療を行っています。消化管疾患では、早期癌に対する内視鏡的粘膜剥離術(ESD)や炎症性腸疾患に対する内視鏡的治療が増えています。肝疾患では、悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼術などの低侵襲治療や全身化学療法、静脈瘤治療に力を入れています。胆膵疾患では、胆石に対する内視鏡的治療や悪性腫瘍に対する検査や治療を数多く行っています。消化器内科では、消化管出血など緊急を要する疾患が多く、これらに対して24時間対応しています。
循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050070xx03x0xx | 頻脈性不整脈-経皮的カテーテル心筋焼灼術-処置2:なし | 194 | 4.26 | 4.47 | 0.00% | 67.25 | ○ |
050050xx0200xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし | 139 | 5.13 | 4.18 | 0.00% | 72.44 | ○ |
050050xx9910xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし | 121 | 3.84 | 3.07 | 0.00% | 71.65 | ○ |
050050xx9920xx | 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし | 118 | 4.22 | 3.27 | 1.69% | 69.95 | ○ |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈-手術あり-処置1:なし、1,3あり-処置2:なし-副病:なし | 104 | 9.18 | 9.59 | 0.96% | 74.36 |
循環器内科では侵襲性の低いカテーテル検査、治療を行っています。
頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術は不整脈の原因となる異常な電位が発現している部位を焼灼する治療です。
症例数は増加しており、治療枠を増やして対応しています。
また、動脈硬化が基盤となり発症する狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患に対するカテーテル検査、治療も多く行っています。
手首、肘、もしくは足のつけねの動脈から細いカテーテルを挿入し、心臓を栄養している冠動脈といわれる血管の狭窄、閉塞部位をバルーン、ステントを用いて拡張する治療です。
小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080270xxxx1xxx | 食物アレルギー-処置1:あり | 149 | 1.86 | 2.10 | 0.00% | 3.88 | ○ |
140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上)-手術なし-処置2:なし | 103 | 11.73 | 6.11 | 0.00% | 0.13 | |
010230xx99x00x | てんかん-手術なし-処置2:なし-副病:なし | 98 | 5.87 | 6.89 | 0.00% | 5.06 | |
0400801199x0xx | 肺炎等(1歳以上15歳未満)-手術なし-処置2:なし | 97 | 7.12 | 5.61 | 0.00% | 5.40 | |
100250xx99x10x | 下垂体機能低下症-手術なし-処置2:1あり-副病:なし | 94 | 2.68 | 3.03 | 0.00% | 5.82 | ○ |
小児科では、食物アレルギー、てんかん、成長ホルモン分泌不全性低身長などの専門性の高い疾患を多く取り扱っております。食物アレルギーでは経口食物負荷試験、てんかんはCTやMRIといった画像検査や終日睡眠ビデオ脳波検査など、低身長には成長ホルモン分泌刺激試験を行い正しく診断し、適切な治療を行っています。新生児病棟では、1500g未満の極低出生体重児を中心に、呼吸管理や栄養管理などの集中治療管理、感染症などの合併症治療を行っております。
上記のデータにおいて低出生体重児に対する発達評価目的の検査入院が含まれております。
整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 | 204 | 20.53 | 18.76 | 57.35% | 68.33 | ○ |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 | 111 | 20.82 | 21.38 | 75.68% | 74.69 | ○ |
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)-腱縫合術等 | 74 | 17.62 | 12.71 | 29.73% | 28.14 | |
160610xx01xxxx | 四肢筋腱損傷-関節鏡下肩腱板断裂手術等 | 66 | 18.27 | 16.15 | 71.21% | 65.35 | ○ |
070085xx97xx0x | 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外)-手術あり-副病:なし | 58 | 15.88 | 13.17 | 34.48% | 50.10 | ○ |
整形外科では股関節・膝関節・肩関節の変形性関節症(軟骨がすり減る病気)や関節リウマチなどに対して人工関節置換術を多く行っています。肩を動かすのに大事な腱板の断裂、スポーツ選手に多い肩関節脱臼に対し体へのダメージが少ない関節鏡を用いて手術を行っています。また、手関節にある手根管というトンネル内で神経が圧迫されしびれが生じる手根管症候群に対しても、小さな切開で内視鏡を用いた関節鏡下手根管開放手術を行っており、短期間の入院で治療が可能です。その他、脊椎や四肢(腕や脚)の病気、けがに対し必要な手術治療を多く行っています。
手術1~2日前より入院、手術後は早期からリハビリを開始し後方病院(転院や通院で治療を継続いただく病院)と連携することで、手術が必要なより多くの患者さんに対応できるよう努めています。
形成外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂-手術あり-処置2:なし | 48 | 3.29 | 2.74 | 0.00% | 66.06 | ○ |
160200xx020xxx | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)-眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む。)等-処置1:なし | 35 | 6.94 | 5.98 | 0.00% | 41.09 | |
070010xx970xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)-手術あり-処置1:なし | 23 | 6.52 | 4.65 | 0.00% | 42.96 | |
070570xx970xxx | 瘢痕拘縮-その他の手術あり-処置1:なし | 19 | 4.74 | 4.81 | 0.00% | 28.32 | |
100100xx97x0xx | 糖尿病足病変-手術あり-処置2:なし | 18 | 30.56 | 24.47 | 33.33% | 75.22 |
形成外科では、眼瞼下垂に対して数多くの手術を行っています。患者用パスを導入し、入院・手術加療が円滑に行えるよう努めています。顔面骨骨折を含めた顔面損傷が多いのも特徴です。
脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010030xx991xxx | 未破裂脳動脈瘤-手術なし-処置1:あり | 81 | 2.90 | 2.86 | 0.00% | 61.21 | ○ |
010030xx02x0xx | 未破裂脳動脈瘤-脳血管内手術-処置2:なし | 39 | 14.26 | 8.63 | 7.69% | 63.72 | ○ |
010070xx01x2xx | 脳血管障害-脳血管内手術等-処置2:2あり | 38 | 25.00 | 17.84 | 7.89% | 47.61 | |
010010xx03x00x | 脳腫瘍-頭蓋内腫瘍摘出術等-処置2:なし-副病:なし | 27 | 21.85 | 19.89 | 0.00% | 50.96 | |
010070xx9912xx | 脳血管障害-手術なし-処置1:あり-処置2:2あり | 23 | 6.91 | 4.75 | 0.00% | 53.78 |
最近の脳神経外科の検査や治療方法は多様化しており、従来の顕微鏡手術(マイクロサージェリー)に加えカテーテルも用いる血管内手術、神経内視鏡手術などがありこれらを組み合わせながら治療を行います。
未破裂脳動脈瘤に対しては、パスによる脳血管造影検査を行った後に、開頭クリッピング術もしくは血管内コイル塞栓術など最適な治療方法を選択しています。脳梗塞や脳血管の狭窄や閉塞の治療には頚動脈内膜剥離術、バイパス術、頚動脈ステント術などがあり良好な成績を得ています。
くも膜下出血や脳出血、脳梗塞などの脳卒中疾患には救命センターと連携を取りながら血栓溶解療法、血管内治療での血栓除去術、開頭手術や内視鏡治療などの緊急手術を行います。
高齢者に多い非外傷性硬膜下血腫に対しては当日に緊急慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を施行することで早期離床を図り、合併症の軽減に努めています。脳腫瘍には良性腫瘍や悪性腫瘍があり治療方法も異なる為、手術で診断を行った後、放射線治療や化学療法など必要な治療を追加し良好な成績を得ています。
心臓血管外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050163xx03x0xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-ステントグラフト内挿術-処置2:なし | 37 | 11.81 | 10.18 | 2.70% | 79.70 | ○ |
050163xx02x1xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等-処置2:1あり | 20 | 20.90 | 18.74 | 0.00% | 73.55 | |
050161xx02x0xx | 大動脈解離-ステントグラフト内挿術-処置2:なし | - | - | 13.06 | - | - | |
050170xx03000x | 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし | - | - | 5.15 | - | - | ○ |
050080xx0101xx | 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:1あり | - | - | 20.84 | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
心臓血管外科では、動脈瘤や大動脈解離手術、弁膜症手術、冠動脈手術、下肢静脈瘤手術、閉塞性動脈硬化症に対する血行再建手術を中心に診療を行っています。
動脈瘤は胸部から腹部に存在しますが、最近は低侵襲治療であるステントグラフト手術が増加しています。ステングラフト手術は、従米の開胸や開腹を行わず動脈瘤の治療が可能です。弁膜症の手術は人工弁による手術だけでなく、自分の弁を修復する形成術を中心に手術を行っています。
また症例によっては、できるだけ小さな皮膚切開で行う低侵襲心臓手術(MICS)を行っています。冠動脈の手術は、他の心臓手術とは異なり、心臓を動かしたまま手術を行っています。そのため早期の社会復帰が可能です。
静脈瘤の手術もレーザー治療の導入により低侵襲化が可能となりました。短期間での治療となります。閉塞性動脈硬化症に対する治療は、低侵襲であるカテーテル治療を主に行い、他院も含めカテーテル治療が困難な症例にはバイパス手術を行っています。
呼吸器・乳腺・小児外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx02x0xx | 肺の悪性腫瘍-肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等-処置2:なし | 253 | 10.30 | 9.82 | 1.98% | 70.79 | ○ |
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:なし | 83 | 9.83 | 9.77 | 1.20% | 71.35 | ○ |
090010xx02xxxx | 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) | 37 | 5.81 | 5.50 | 0.00% | 63.84 | ○ |
060160x101xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳未満)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 36 | 3.14 | 2.73 | 0.00% | 4.67 | ○ |
040110xxxx00xx | 間質性肺炎-処置1:なし-処置2:なし | 23 | 14.09 | 18.68 | 0.00% | 52.39 |
呼吸器・乳腺・小児外科では、肺癌に対する手術治療目的の入院が最も多くなっています。また良性肺疾患では気胸に対する手術・治療も積極的に取り組んでいます。小児外科では、新生児の食道気管瘻などの重篤な疾患からヘルニアまで受け入れています。乳癌に対する手術治療にも力を入れています。
産婦人科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
120060xx02xxxx | 子宮の良性腫瘍-腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 | 56 | 8.23 | 5.88 | 0.00% | 49.89 | ○ |
12002xxx02xxxx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍-子宮頸部(腟部)切除術等 | 54 | 3.65 | 2.92 | 0.00% | 40.02 | ○ |
12002xxx99x40x | 子宮頸・体部の悪性腫瘍-手術なし-処置2:4あり-副病:なし | 46 | 4.30 | 4.07 | 0.00% | 60.91 | ○ |
120070xx02xxxx | 卵巣の良性腫瘍-卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 | 41 | 7.32 | 5.97 | 0.00% | 42.07 | ○ |
12002xxx01x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍-子宮悪性腫瘍手術等-処置2:なし | 26 | 16.50 | 9.84 | 0.00% | 56.62 | ○ |
婦人科部門では、子宮や卵巣の良性腫瘍に対して手術症例が多く、腹腔鏡、ロボットを用いた鏡視下手術を積極的に行っています。次いで、子宮頸部異形成に対し、低侵襲な腟式手術を行っています。その他、子宮がんや卵巣がん等の悪性腫瘍に対する化学療法も行っています。
産科部門では、総合周産期母子医療センターとして、安全・安心の出産を目的に、救急疾患、母体疾患、胎児疾患の管理・治療を集中的に行っています。
眼科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患-手術あり-片眼 | 522 | 3.29 | 2.49 | 0.00% | 73.75 | ○ |
020220xx97xxx0 | 緑内障-その他の手術あり-片眼 | 127 | 5.25 | 4.52 | 1.57% | 69.35 | |
020160xx97xxx0 | 網膜剥離-手術あり-片眼 | 117 | 8.43 | 7.53 | 0.00% | 55.11 | ○ |
020280xx97xxxx | 角膜の障害-手術あり | 55 | 13.38 | 8.78 | 0.00% | 68.85 | |
020240xx97xxx0 | 硝子体疾患-手術あり-片眼 | 44 | 5.73 | 4.83 | 0.00% | 66.86 | ○ |
眼科では、白内障、水晶体の疾患が最も多くなっています。眼内レンズを挿入する水晶体再建術をほとんどの症例で併施しています。次には角膜の手術では角膜移植術が多く、水疱性角膜症や感染症に対する角膜移植術が多いです。網膜剥離や緑内障に対する手術は失明を防ぐための重要な治療として行われています。
耳鼻咽喉・頭頸部外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030230xxxxxxxx | 扁桃、アデノイドの慢性疾患 | 55 | 7.46 | 7.35 | 0.00% | 14.40 | ○ |
030150xx97xxxx | 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍-手術あり | 45 | 9.67 | 6.68 | 0.00% | 56.00 | ○ |
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 29 | 5.83 | 5.84 | 0.00% | 51.38 | ○ |
030440xx01xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫-鼓室形成手術等 | 29 | 6.55 | 6.06 | 0.00% | 40.55 | ○ |
03001xxx0200xx | 頭頸部悪性腫瘍-頸部悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:なし | 25 | 15.44 | 12.45 | 0.00% | 69.84 | ○ |
耳鼻咽喉科では、慢性扁桃炎やアデノイド増殖症などの慢性疾患に加え、急性扁桃炎、扁桃周囲炎、突発性難聴等の急性疾患も多く扱います。また、頭頚部腫瘍疾患では、良性腫瘍・悪性腫瘍に対する診察・治療を行います。その他、真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎には鼓室形成術を行います。
リハビリテーション部
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 | 29 | 34.55 | 21.38 | 10.34% | 71.79 | ○ |
070230xx02xxxx | 膝関節症(変形性を含む。)-骨穿孔術等 | - | - | 24.44 | - | - | ○ |
070085xx97xx0x | 滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症(上肢以外)-手術あり-副病:なし | - | - | 13.17 | - | - | ○ |
070470xx99x2xx | 関節リウマチ-手術なし-処置2:2あり | - | - | 16.42 | - | - | |
160610xx03xxxx | 四肢筋腱損傷-アキレス腱断裂手術等 | - | - | 7.59 | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
リハビリテーション部では、理学療法・作業療法・言語聴覚訓練等を専門的に行い、日常生活動作(ADL)の低下予防や改善などに対応します。
皮膚科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外)-皮膚悪性腫瘍切除術等-処置2:なし | 37 | 9.08 | 6.92 | 2.70% | 77.73 | |
070020xxxx00xx | 神経の良性腫瘍-処置1:なし-処置2:なし | 13 | 8.31 | 6.43 | 0.00% | 44.62 | |
080010xxxx0xxx | 膿皮症-処置1:なし | 13 | 13.62 | 12.98 | 0.00% | 57.54 | |
080007xx010xxx | 皮膚の良性新生物-皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等-処置1:なし | 12 | 4.08 | 3.77 | 0.00% | 51.33 | ○ |
080190xxxxxxxx | 脱毛症 | 10 | 3.00 | 3.29 | 0.00% | 33.10 |
皮膚科では、悪性の皮膚腫瘍に対する切除を最も多く行っており、併せて植皮など再建術を行っております。次いで多いのは、脂肪腫などの良性腫瘍切除術で、その他には膿皮症の手術やまた、帯状疱疹などの感染症に対する治療も他科と連携の上、多く行っております。
腎泌尿器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり | 143 | 2.56 | 2.45 | 0.00% | 72.08 | ○ |
110070xx02xxxx | 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 | 68 | 7.49 | 6.75 | 0.00% | 70.32 | ○ |
11012xxx02xx0x | 上部尿路疾患-経尿道的尿路結石除去術-副病:なし | 65 | 6.11 | 5.16 | 1.54% | 52.78 | ○ |
11012xxx97xx0x | 上部尿路疾患-その他の手術あり-副病:なし | 46 | 5.28 | 7.30 | 4.35% | 54.96 | |
11001xxx01x0xx | 腎腫瘍-腎(尿管)悪性腫瘍手術等-処置2:なし | 36 | 13.42 | 10.12 | 0.00% | 68.33 |
腎泌尿器外科では、前立腺悪性腫瘍手術は全例にロボット支援腹腔鏡下前立腺前摘除術を適用しています。膀胱癌に対しては、上皮内癌等の診断が難しい腫瘍の診断にも有効な光力学的診断を用いて、より診断性・根治性を向上させた経尿道的膀胱腫瘍切除術を行なっています。また、尿路結石に対しては、事前に尿管ステントを留置し、尿道から細い内視鏡を挿入してレーザーで結石を砕石する手術を基本治療としています。腎腫瘍に対しても、腫瘍径が4cm未満の場合はロボット支援腎部分切除術、4cm以上の場合は、ロボット支援腎摘除術を導入しています。また、腎盂癌・尿管癌に対しても、ロボット支援腎尿管全摘除術を導入しています。
腎臓・膠原病内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx9900xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし | 25 | 12.36 | 11.35 | 8.00% | 67.04 | |
070560xxxxx00x | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患-処置2:なし-副病:なし | 18 | 17.28 | 14.93 | 5.56% | 52.06 | |
110260xx99x0xx | ネフローゼ症候群-手術なし-処置2:なし | 18 | 32.72 | 19.53 | 0.00% | 63.39 | |
110280xx991xxx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:あり | 18 | 6.06 | 6.01 | 0.00% | 42.22 | ○ |
110280xx02x1xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-動脈形成術、吻合術 その他の動脈等-処置2:1あり | 16 | 30.13 | 33.81 | 0.00% | 60.50 |
腎臓・膠原病内科では、腎炎・ネフローゼ症候群の診断と治療、慢性腎不全の進行阻止、合併症治療のための入院が多くなっています。腎生検による正確な判断と、基本に忠実な治療を心がけています。腎不全が高度に進行した場合には透析治療が必要となるため、内シャントや腹膜透析カテーテル挿入手術の入院も多くなっています。
救命救急センター
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160980xx0100xx | 骨盤損傷-仙腸関節脱臼観血的手術等-処置1:なし-処置2:なし | 19 | 26.84 | 30.89 | 89.47% | 67.53 | |
180010x0xxx4xx | 敗血症(1歳以上)-処置2:4あり | 19 | 27.63 | 37.05 | 36.84% | 64.58 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷-手術なし-処置2:なし-副病:なし | 15 | 5.73 | 7.99 | 6.67% | 40.13 | ○ |
160870xx99x00x | 頸椎頸髄損傷-手術なし-処置2:なし-副病:なし | 13 | 8.54 | 13.10 | 38.46% | 48.46 | |
010040x101x1xx | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上)-脳血管内手術+脳動静脈奇形摘出術等-処置2:あり | - | - | 39.52 | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
救命救急センターは、初療室2室、救急患者専用CT室、救命救急センター専用病床、ヘリポート、ドクターカー等の設備を備えており、救急科専門医と各診療科専門医合わせて約20名が在籍しています。原則として救急隊や地域の病院からの重篤な患者さんを受け入れており、地域救急医療に貢献すべく、24時間365日途絶えることなく最先端医療の提供に努めています。特徴として、多岐にわたる病態をカバーしており、救命救急センターを中心に複数の診療科領域に渡る患者さんに対して高度専門治療を提供しています。また、病状が安定し、生命の危機が回避された状態にあると判断された患者さんについては、緊急処置を要する患者さん受け入れの病床を確保するため、積極的に搬送元の医療機関への転院や当院の各診療科へ転科して頂いています。
消化器外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060035xx0100xx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:なし | 124 | 19.04 | 14.81 | 4.03% | 70.27 | ○ |
060040xx0300xx | 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍-直腸切除・切断術 切除術等-処置1:なし-処置2:なし | 92 | 20.50 | 14.91 | 1.09% | 66.01 | ○ |
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 59 | 6.98 | 4.54 | 0.00% | 71.10 | ○ |
060130xx04x0xx | 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患)-食道狭窄拡張術等-処置2:なし | 58 | 13.91 | 7.32 | 0.00% | 55.64 | |
060035xx99x5xx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-手術なし-処置2:5あり | 57 | 6.56 | 4.42 | 0.00% | 62.35 |
消化器外科では、食道から胃・大腸・直腸肛門および肝臓・胆道・膵臓などの癌や結石などの疾患をまんべんなく治療しています。多くの手術で腹腔鏡やロボット手術などの患者さんに負担の少ない治療を受けられます。
総合診療科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷-手術なし-処置2:なし-副病:なし | 15 | 4.33 | 7.99 | 6.67% | 34.60 | ○ |
110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症-手術なし | 13 | 18.62 | 13.66 | 38.46% | 69.54 | |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害-手術なし | 11 | 4.46 | 4.67 | 0.00% | 66.27 | ○ |
180030xxxxxx0x | その他の感染症(真菌を除く。)-副病:なし | 10 | 11.70 | 8.02 | 20.00% | 55.90 | |
070560xxxxx00x | 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患-処置2:なし-副病:なし | - | - | 14.93 | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
総合診療科では救急部門からの入院を多く受け入れており、脳震盪などの手術を必要としない頭部外傷や、高齢患者さんに多い肺炎、尿路感染症、まためまいといった症状で受診される患者さんの入院を多く担当しております。感染症については基礎疾患をお持ちの方の場合には入院が長引くこともありますが、それ以外については基本的には全国平均と同じくらいの入院期間で退院あるいは転院してリハビリなどに移行されています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
StageⅠ | StageⅡ | StageⅢ | StageⅣ | 不明 | ||||
胃癌 | 109 | 25 | 20 | 24 | 40 | 14 | 1 | 8 |
大腸癌 | 113 | 51 | 252 | 133 | 90 | 93 | 2 | 9 |
乳癌 | 80 | 76 | 11 | - | 24 | 18 | 1 | 8 |
肺癌 | 154 | 25 | 62 | 133 | 164 | 161 | 1 | 8 |
肝癌 | 10 | 15 | - | 15 | 33 | 80 | 2 | 6 |
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
当院での5大がんの患者数は大腸癌が最も多く、昨年と比較しても増加しています。次いで肺癌となっており、大腸癌と肺癌で5大がんの70%を占めています。患者数については、入退院数が全てカウントされており、特に再発率が高い肝癌については、初発治療後の治療目的に入院する割合が高くなっています。
当院は、内視鏡治療や外科治療(胸腔鏡・腹腔鏡的治療・ロボット支援下手術)、抗がん薬や放射線治療など、一人一人にあった治療法を選択し、5大がんだけでなく多くのがんにも幅広い治療を行っています。なお、Stage不明で分類されている理由としては、治療開始前の精査目的での入院が多いことなどが挙げられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 20 | 11.70 | 45.60 |
中等症 | 75 | 18.00 | 73.64 |
重症 | 14 | 19.21 | 78.86 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
厚生労働省(令和5年)が示す日本人の死因第5位は肺炎であり、第6位は誤嚥性肺炎となっています。特に高齢者が肺炎となり入院される数も増加しています。当院では、軽症から重症までの入院患者さんを受け入れていますが、高齢になるに従い、重症度も高くなり、入院日数も延長するという傾向を示しています。このように高齢者に発症する肺炎は、糖尿病や慢性呼吸器疾患などを合併している可能性が高く、重症化する危険性もあり、適切な抗菌薬および全身管理が必要とされます。
脳梗塞の患者数等
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 62 | 20.63 | 77.69 | 38.36% |
その他 | 11 | 23.18 | 69.45 | 4.11% |
当院では、脳神経内科、脳神経外科、救命救急センターとの密接な連携を図り、脳卒中急性期の患者さんの救急医療に努めております。脳卒中患者さんに対する血栓溶解療法や脳血管内治療、Stroke Care Unit(SCU)での急性期管理、超急性期から急性期にかけての脳卒中リハビリテーションをご提供しております。SCUでは、日本脳卒中専門医、SCU専属作業療法士が24時間体制でチーム医療にあたっております。また近隣の医療機関との連携のもと、急性期から慢性期まで継続したケアを患者さんに届けられるよう努力しております。脳卒中の入院患者さんの内訳としては、発症から3日以内に入院された方の割合が大半になっております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内分泌・糖尿病内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K171-21 | 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) | 10 | 1.90 | 13.30 | 0.00% | 49.90 | |
K171-22 | 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(頭蓋底脳腫瘍(下垂体腫瘍を除く)) | - | - | - | - | - | |
K2762 | (右)網膜光凝固(特殊)(一連) etc. | - | - | - | - | - | |
K709-6 | 同種死体膵島移植術 | - | - | - | - | - | |
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
脳神経内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K1812 | 脳刺激装置植込術(両側) | 14 | 3.21 | 21.57 | 0.00% | 57.64 | |
K178-4 | 経皮的脳血栓回収術 | - | - | - | - | - | |
K386 | 気管切開術 | - | - | - | - | - | |
K023 | 筋膜切離術 | - | - | - | - | - | |
K024 | 筋切離術 | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
脳神経内科では、神経変性疾患、脳血管障害、脱髄性疾患、感染性疾患、代謝性疾患、末梢神経・筋疾患など様々な神経疾患を対象としています。常に一人一人の患者さんをしっかり診ることに重きを置き、最短かつ最良の診断と適切な治療を行うよう努めており、近隣の医療機関との連携にも 力を入れています。脳刺激装置植込術はパーキンソン病の治療の一環になります。
消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 259 | 0.68 | 1.12 | 0.00% | 68.20 | ○ |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 121 | 1.62 | 8.88 | 9.09% | 75.25 | |
K533-2 | 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 | 76 | 1.41 | 8.32 | 2.63% | 64.38 | ○ |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) | 72 | 1.01 | 5.97 | 1.39% | 72.92 | ○ |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 68 | 0.97 | 4.69 | 0.00% | 68.79 | ○ |
消化器内科では、大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、腫瘍の大きさなど患者さん個人の病態に合わせて、通常は一泊のみと短期間の入院で済むよう心掛けています。内視鏡的胆道ステント留置術や内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術は緊急で行うことのある処置ですが、当科では24時間体制で対応可能であり、適切な時期を逃さずに治療を行っています。
循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) | 164 | 1.29 | 2.17 | 0.00% | 69.05 | ○ |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 131 | 2.36 | 4.47 | 2.29% | 73.20 | ○ |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 50 | 3.74 | 6.96 | 8.00% | 77.94 | ○ |
K596 | 体外ペースメーキング術 | 42 | 1.48 | 7.19 | 4.76% | 75.14 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 39 | 2.39 | 4.49 | 5.13% | 74.44 | ○ |
頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術は治療デバイスの進化により、安全、効果的に施行できるようになり、手技時間も大幅に短縮されています。徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術も行っています。
また、動脈硬化が基盤となり発症する狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患に対するカテーテル検査、治療も多く行っています。手首、肘、もしくは足のつけねの動脈から細いカテーテルを挿入し、心臓を栄養している冠動脈といわれる血管の狭窄、閉塞部位をバルーン、ステントを用いて拡張する治療です。
歩行時の痛み、下肢潰瘍などの症状を引き起こす下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療も積極的に行っています。下肢動脈の狭窄、閉塞部位にバルーン、ステントを用いて拡張します。
それぞれの患者さんの状況に応じた、適切な治療を提供できるように心がけています。
小児科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K9131 | 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) | 24 | 0.00 | 45.96 | 4.17% | 0.00 | |
K9132 | 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) | 10 | 0.00 | 64.80 | 10.00% | 0.00 | |
K7151 | 腸重積症整復術 非観血的なもの etc. | - | - | - | - | - | |
K300 | 鼓膜切開術 | - | - | - | - | - | |
K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
小児科では、新生児の蘇生処置が手術扱いとなりますので、最多の術式となっております。また、救急疾患の一つである腸重積症に対する整復術も当科で行っております。外科手術は合併症に対して外科系診療科で行っております。
整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(股) etc. | 339 | 2.02 | 17.96 | 65.19% | 71.09 | ○ |
K0483 | 骨内異物(挿入物)除去術(下腿) etc. | 93 | 1.03 | 5.50 | 2.15% | 42.41 | |
K080-41 | 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) | 64 | 1.17 | 16.50 | 73.44% | 65.52 | ○ |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) etc. | 47 | 3.83 | 20.00 | 57.45% | 68.68 | |
K080-52 | 関節鏡下肩関節唇形成術(腱板断裂を伴わない) | 44 | 1.00 | 5.21 | 0.00% | 21.77 |
整形外科では、表に示すとおり股関節・膝関節・肩関節の変形性関節症 (軟骨がすり減る病気)や関節リウマチなどに対して人工関節置換術を多く行っています。肩を動かすのに大事な腱板の断裂、スポーツ選手に多い肩関節脱臼に対し体へのダメージが少ない関節鏡を用いて手術を行っています。骨内異物除去術とは前述の骨切り術や骨折の治療に用いた金属のプレートやスクリューを抜く手術のことです。その他、脊椎や四肢(腕や脚)の病気、けがに対し必要な手術治療を多く行っています。
手術1~2日前より入院、手術後は早期からリハビリを開始し後方病院 (転院や通院で治療を継続いただく病院)と連携することで、手術が必要なより多くの患者さんに対応できるよう努めています。
形成外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2191 | 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) | 27 | 0.56 | 1.85 | 0.00% | 65.70 | ○ |
K0052 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) | 21 | 0.76 | 1.81 | 0.00% | 23.67 | |
K2193 | 眼瞼下垂症手術(その他) | 21 | 0.14 | 1.86 | 0.00% | 67.52 | ○ |
K0051 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) | 18 | 0.78 | 1.89 | 0.00% | 15.50 | |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) etc. | 17 | 1.00 | 5.12 | 0.00% | 60.06 |
形成外科では、眼瞼下垂に対して数多くの手術を行っています。患者用パスを導入し、入院・手術加療が円滑に行えるよう努めています。
脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | 53 | 6.11 | 22.93 | 11.32% | 54.08 | |
K164-2 | 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭) etc. | 32 | 0.28 | 10.22 | 21.88% | 74.03 | ○ |
K6101 | 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) | 30 | 7.70 | 18.80 | 13.33% | 42.33 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 24 | 3.67 | 9.33 | 4.17% | 62.92 | |
K1783 | 脳血管内手術(脳血管内ステント) | 21 | 4.38 | 10.95 | 9.52% | 66.29 |
脳神経外科では、脳血管障害、脳腫瘍、外傷、機能的疾患、脊髄脊椎疾患、先天奇形、水頭症など脳神経外科領域疾患を全般的に広く扱っており、特に多い疾患は脳腫瘍、脳血管障害、機能的疾患、外傷です。腫瘍は悪性腫瘍、良性腫瘍ともに数が多く、頭蓋底腫瘍などの特殊な疾患も治療しています。
脳血管障害は、術前に十分な検討を行い開頭手術、血管内手術など最適な治療方法を選択しています。手術は動脈瘤クリッピング術、バイパス手術、神経内視鏡手術など多岐に行っているため、DPC(Diagnosis Procedure Combination;診断群分類)上は数が分散されています。外傷の中では高齢者に多い慢性硬膜下血腫が一番多くなっています。
術前後の在院日数は長い傾向にありますが、脳神経外科が扱う疾患には治療困難例や他臓器合併症例が多く含まれていることも1つの要因として考えられます。現在、周術期センターや病診連携(病院とかかりつけクリニックとの連携)の強化などを行い、術前術後の在院日数減少を図っています。
心臓血管外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5612ロ | ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) | 34 | 1.68 | 10.00 | 2.94% | 78.71 | ○ |
K5612イ | ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) | 24 | 2.83 | 9.17 | 8.33% | 78.00 | |
K5606 | 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) | 20 | 3.30 | 16.65 | 0.00% | 74.55 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 10 | 1.20 | 3.40 | 0.00% | 73.60 | ○ |
K554-21 | 胸腔鏡下弁形成術(1弁) | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
心臓血管外科では、侵襲度の大きな手術が多くなります。また緊急で手術することも多いのも特徴です。大動脈解離や急性動脈閉塞症や大動脈破裂など緊急性のある手術も当科では24時間対応しております。
動脈瘤、弁膜症の手術は心臓を止めて行う手術となり出血量も多くなりますが、輸血量を減らすために自己の血液を手術中に回収して再使用する工夫をしています。動脈瘤に関しては、従来の方法に加えてステントグラフトによる治療を積極的に行い、低侵襲となるように努めています。
下肢の血管の治療も積極的にカテーテル治療を行い、早期の社会復帰を目指しています。また病診連携を行うことで適切なりハビリ施設の案内も行っています。
呼吸器・乳腺・小児外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除、1肺葉超・手術用支援機器使用) etc. | 100 | 1.98 | 8.79 | 5.00% | 72.22 | ○ |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 79 | 1.96 | 8.32 | 2.53% | 69.89 | ○ |
K514-22 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) etc. | 72 | 2.28 | 6.99 | 0.00% | 70.17 | ○ |
K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 59 | 1.68 | 6.75 | 0.00% | 73.53 | |
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 37 | 1.84 | 2.97 | 0.00% | 63.84 |
呼吸器・乳腺・小児外科では、呼吸器外科センターとして、九州で最も多くの胸部外科手術を手がけております。早期の肺癌症例数においては、積極的に創が小さく低侵襲な完全胸腔鏡手術を導入しております。原則、肺癌手術のすべてに胸腔鏡手術またはロボット手術を施行しています。結果として入院期間の短縮につながっております。また早期肺癌だけでなく、進行肺癌に対して腫瘍内科、放射線治療科と連携して複雑な手術にも多く取り組んでいます。
乳腺疾患に関しては、乳癌に対する根治手術の中で乳腺温存手術やリンパ節郭清の簡略化を目指したセンチネルリンパ節診断にも積極的に取り組んでおります。クリニカルパスが導入されており、手術前日入院および術後早期退院が確立しており入院期間が短縮されております。
小児外科では、鼠径ヘルニアに対して、原則、腹腔鏡下ヘルニア根治術(LPEC)を行っております。1歳以上の症例については、1つの創のみで手術を行う単項式手術も行われており、その場合、臍内の創のみになります。いずれの手術においても、ほとんどの場合、手術翌日に退院が可能です。
産婦人科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K877-2 | 腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器使用) etc. | 60 | 2.78 | 4.75 | 0.00% | 51.00 | ○ |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) | 58 | 8.72 | 5.57 | 0.00% | 34.62 | ○ |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側、腹腔鏡) etc. | 44 | 2.05 | 4.25 | 0.00% | 42.23 | ○ |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 31 | 1.03 | 2.00 | 0.00% | 40.97 | ○ |
K867-4 | 子宮頸部異形成上皮レーザー照射治療 | 22 | 1.00 | 1.00 | 0.00% | 38.91 | ○ |
婦人科部門では、腹腔鏡やロボットを用いた患者さんの負担が少ない鏡視下での子宮全摘術や腫瘍摘出術を積極的に行っています。次いで子宮頸部異形成に対して円錐切除術やレーザー蒸散術などの経腟的な手術を行っています。
産科部門では、西日本で有数の総合周産期母子医療センターとして、ハイリスク妊娠や産科救急疾患に対する緊急帝王切開術を行なっています。
眼科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) | 479 | 1.16 | 1.05 | 0.00% | 74.30 | ○ |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) | 180 | 1.37 | 6.08 | 0.00% | 61.88 | ○ |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) | 73 | 1.53 | 3.18 | 0.00% | 62.47 | ○ |
K259 | 角膜移植術 | 58 | 4.62 | 8.52 | 0.00% | 67.36 | ○ |
K2686 | 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) | 58 | 1.19 | 1.19 | 1.72% | 76.40 |
眼科では、角膜移植・硝子体手術・白内障手術・緑内障手術・小児眼科手術・黄斑変性治療を各専門医が責任をもって手術を行っています。 TOP3の症例以外にも多数手術を行っており、全ての症例について手術を行う際には、各専門医が集まる術前合同カンファレンスで手術の適応・術式等を検討した上で手術を行っています。患者さんの諸事情により、1か月以内の手術希望や全身麻酔での手術希望等にも可能な限り対応しています。
また、近隣の先生方からご紹介いただいた症例は、全身検査・眼科的術前検査が済み次第、手術を遅くとも1か月以内には行えるよう早急に対応しています。
耳鼻咽喉・頭頸部外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) etc. | 69 | 1.03 | 6.17 | 0.00% | 20.16 | ○ |
K6261 | リンパ節摘出術(長径3cm未満) | 26 | 1.12 | 2.77 | 0.00% | 71.81 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) | 23 | 1.26 | 3.91 | 0.00% | 55.09 | ○ |
K3192 | 鼓室形成手術(耳小骨再建術) | 17 | 2.65 | 5.88 | 0.00% | 30.18 | ○ |
K3191 | 鼓室形成手術(耳小骨温存術) | 15 | 2.00 | 5.07 | 0.00% | 50.67 | ○ |
耳鼻咽喉・頭頸部外科では、扁桃炎を何度も繰り返すような場合や扁桃肥大に伴ういびきは扁桃摘出術の対象となります。また、扁桃腺が関与する掌蹠膿疱症やIgA腎症も症状の改善を目的に手術を行います。アデノイド増殖症や滲出性中耳炎に対してはアデノイド切除術や鼓膜チュービングを行っています。真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎などの中耳疾患を対象に鼓室形成術を行います。この手術では病変の除去を第一目的とし、可能な限り聴力改善も併せ行っています。慢性副鼻腔炎、鼻茸に対する内視鏡手術は比較的侵襲が少なく、鼻づまりの強い場合は鼻腔形態改善手術も行います。
リハビリテーション部
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(股) etc. | 29 | 1.93 | 31.62 | 10.34% | 71.79 | ○ |
K054-2 | 脛骨近位骨切り術 | - | - | - | - | - | |
K037 | 腱縫合術 | - | - | - | - | - | |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) | - | - | - | - | - | |
K068-2 | 関節鏡下半月板切除術 | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
リハビリテーション部では、理学療法・作業療法・言語聴覚訓練等を専門的に行い、日常生活動作(ADL)の低下予防や改善などに対応します。
皮膚科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) | 39 | 1.00 | 5.80 | 2.56% | 78.03 | |
K0052 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) | 10 | 0.70 | 2.50 | 0.00% | 47.00 | |
K0053 | 皮膚腫瘍摘出術(露出部)(長径4㎝以上) etc. | - | - | - | - | - | |
K0062 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) | - | - | - | - | - | |
K0063 | 皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6㎝以上) etc. | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
皮膚科では、皮膚悪性腫瘍切除術が最多です。他の手術と比較して高齢者が多く、術後の合併症や植皮を有する手術が多いことから、平均術後日数が長くなっていると考えられます。
腎泌尿器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 79 | 1.87 | 5.18 | 1.27% | 71.53 | ○ |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 71 | 2.18 | 4.94 | 4.23% | 61.45 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 65 | 2.26 | 3.82 | 1.54% | 53.51 | ○ |
K931 | 超音波凝固切開装置等加算 | 40 | 2.60 | 12.05 | 0.00% | 69.75 | |
K8036ロ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) | 21 | 2.10 | 4.48 | 0.00% | 71.33 | ○ |
腎泌尿器外科では、最も多い膀胱悪性腫瘍(経尿道的手術)では、電解質溶液を灌流液として用いるTURisシステムを導入し、高齢者に多い膀胱癌治療において合併症が少なくなるよう努力しています。尿路結石に対しては、事前に尿管ステントを留置し、尿道から細い内視鏡を挿入してレーザーで砕石することにより、治療効果を高めています。超音波凝固切開装置は、泌尿器科領域における腹腔鏡・ロボット手術の際に使用するシーリングデバイスという機器の事です。血管や組織を超音波の力で同時に切開しながら止血することができる道具であり、安全に手術を施行するために使用しています。
腎臓・膠原病内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | 30 | 6.33 | 15.23 | 0.00% | 64.83 | ○ |
K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | 26 | 6.62 | 20.42 | 3.85% | 63.69 | ○ |
K6121ロ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(静脈転位を伴う) | - | - | - | - | - | ○ |
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) | - | - | - | - | - | |
K6122 | 末梢動静脈瘻造設術(その他) | - | - | - | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
腎臓・膠原病内科では、血液透析と腹膜透析を行うための内シャント造設術、腹膜透析カテーテル挿入術を中心に行っています。近年、腹膜透析を選択する患者が増えています。また、内シャントの狭窄・閉塞に対する経皮的シャント拡張術・血栓除去術も当科において重要な処置となっています。
救命救急センター
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K386 | 気管切開術 | 25 | 7.36 | 16.28 | 60.00% | 70.48 | |
K046-3 | 一時的創外固定骨折治療術 | 18 | 0.06 | 35.72 | 72.22% | 52.56 | |
K125 | 骨盤骨折観血的手術(腸骨翼及び寛骨臼骨折観血的手術を除く) | 15 | 3.93 | 24.27 | 73.33% | 76.47 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 13 | 0.15 | 35.31 | 46.15% | 63.08 | |
K164-5 | 内視鏡下脳内血腫除去術 | 10 | 0.40 | 16.70 | 60.00% | 64.00 |
救命救急センターは複数の診療科領域にわたる重篤な患者を24時間体制で受け入れ、集中治療室において高度な医療を提供しています。
急性心筋梗塞や脳卒中、重症外傷に加えて、重症新型コロナ患者などの呼吸不全患者を多く管理しています。重症呼吸不全患者に対して、ときに長期にわたる人工呼吸器管理や経皮的心肺補助装置(ECMO:エクモ)による管理が必要となり、このような場合に気管切開術を行います。また、重症外傷の四肢(腕や足)の骨折や開放骨折に対する一時的な固定方法として、当施設では創外固定術を積極的に行っています。
消化器外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前 日数 |
平均 術後 日数 |
転院率 | 平均 年齢 |
患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器) etc. | 129 | 6.74 | 12.09 | 3.88% | 70.81 | ○ |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 91 | 1.93 | 5.32 | 0.00% | 65.07 | ○ |
K740-22 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術・手術用支援機器使用) etc. | 58 | 4.10 | 17.71 | 3.45% | 66.40 | ○ |
K530-3 | 内視鏡下筋層切開術 | 54 | 4.56 | 9.59 | 0.00% | 54.80 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 43 | 1.56 | 4.49 | 0.00% | 70.37 | ○ |
消化器外科では、食道から大腸までの消化管や肝臓、胆嚢、膵臓などの手術が必要な疾患を扱っており、その範囲は多岐に渡ります。疾患別では全体としての癌の手術が大部分を占めており、その中でも腹腔鏡による手術(胆嚢摘出・結腸悪性腫瘍切除など)を数多く行っています。また、胆嚢や胆管の結石や腫瘍による狭窄などに対する処置や手術が多いのも当科の特徴です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 33 | 0.20% | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 31 | 0.19% |
異なる | 34 | 0.20% | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 105 | 0.63% |
異なる | - | - |
※患者数が10未満の場合、「-」で表示しています。
この指標は、医療の質の観点から改善努力を行っているものであり、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症について、入院のきっかけとなった病名の同一性の有無を区別し症例数と発症率を示したものです。
手術や処置等は合併症を起こさないよう細心の注意を払って施行します。しかし、合併症は一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の施行に同意いただくよう努めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母) | 分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子) | リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率 |
---|---|---|
2,128 | 1,893 | 88.96% |
肺血栓塞栓症は、エコノミークラス症候群ともいわれ、足や骨盤内の血管(静脈)にできた血の塊(血栓)が肺の血管(肺動脈)に詰まり、胸痛や呼吸困難を引き起こし、重篤な場合は死に至る病気です。日本では少なくとも手術1万件あたり3.1人に肺血栓塞栓症が発生するといわれています。肺血栓塞栓症のリスク評価を行い、リスクに応じて早期離床、弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫法、抗凝固療法など適切な予防策を実施することが重要であり、当院での実施率を調査しています。
血液培養2セット実施率
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
2,377 | 1,732 | 72.86% |
血流感染症は、いろいろな部位の細菌感染から血液中に菌が入り、全身に感染が及ぶ重症の感染症です。このために、血流感染症を早期に診断して適切な治療を開始することが重要です。血流感染症を診断するためには、血液中に侵入した細菌を培養して検出する検査、すなわち血液培養を行うことが必要です。血液中の微量の菌を検出するためには、十分な量の血液を採取することが重要であり、血流感染症を確実に診断するためには最低40ccの血液を採取することが推奨されています。血液培養1セットを採取することにより、20ccの血液を採取できることから、血液培養2セットの採取が重要となります。そのため、血液培養2セット採取率を測定することにより、血流感染症の診断の質の評価を行うことが可能です。ただし、乳幼児や小児では体格が小さいため、血液培養2セットの採取は体の負担が大きく、1セットのみの採取で良い場合があります。
当院における血液培養2セット採取率は病院全体で72.86%であり、やや低値となっていますが、この中には2セットが採取困難な乳幼児や小児のデータも含まれており、これらの患者を除いた主に成人患者での血液培養2セット採取率は95%前後を維持しています。このことから、当院においては、血流感染症の診断は適切に行われていると言えます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母) | 分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子) | 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率 |
---|---|---|
810 | 697 | 86.05% |
細菌感染症を診断するためには、原因となっている細菌(病原菌)が何かを適切に診断することが重要です。病原菌の種類が判明し、その菌に有効な抗菌薬が何かが判明すれば、適切な抗菌薬を選んで使用することが可能となります。しかし細菌培養検査により病原菌の種類が何かを診断し、どの抗菌薬が有効かを検査するためには、数日から1週間程度を要する場合があります。そのため、多くの細菌に有効な抗菌薬(広域スペクトル抗菌薬)をとりあえず投与し、原因菌や有効な抗菌薬が判明した後により標的を絞った抗菌薬治療に変更するという治療が行われることがあります。しかし、広域スペクトル抗菌薬を投与開始する前に適切な細菌培養を行わなければ、原因菌が何かがわからないままで治療を継続することになります。広域スペクトル抗菌薬の長期投与は、多くの抗菌薬が効かない細菌、すなわち多剤耐性菌の出現や増殖につながる可能性があることから、可能な限り避けなければなりません。そのためには、広域スペクトル抗菌薬使用前の細菌培養実施が重要となります。
当院における広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率は80%を超えており、おおむね適切な検査が行われていると言えます。
転倒・転落発生率
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
---|---|---|
198,051 | 227 | 1.15‰ |
入院中の患者の転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。転倒・転落による入院期間の延長や治療の延期等を防ぐため、当院では様々な対策を講じています。本指標は、より低い方が望ましいとされています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
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198,051 | 19 | 0.10‰ |
転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。本指標は、より低い方が望ましいとされています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
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4,096 | 4,050 | 98.88% |
外科手術は外傷やがんなど多くの疾患の治療に不可欠な治療手技です。外科手術を行う際は、まず皮膚を切開する必要がありますが、皮膚には多くの細菌が人と共存して生活しており、皮膚を切開した部位からこれらの菌が体内に侵入して感染を起こす可能性があります。また、肺や腸などの内臓の中にも多くの細菌が存在しており、内臓の手術の際にこれらの菌が体内に侵入する可能性があります。これらの人と共存する細菌(常在菌)による感染を防ぐために、外科手術の開始前に抗菌薬を予防的に投与し、万一手術で切開した部位から細菌が侵入しても直ちに殺菌して感染を起こさないよう予防する、ということが行われています。特に、手術開始前1時間以内に抗菌薬を投与することが、外科手術に伴う感染を防ぐ効果が最も大きいことが示されており、手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率は外科手術に関する質の評価の指標となります。
当院における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率は98.88%と高いことから、外科手術に関連する感染に対する予防が適切に行われていると言えます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
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158,102 | 36 | 0.02% |
褥瘡は患者のQOL低下の要因であるとともに感染のリスクもあり、治癒や入院期間の長期化、医療費の増大につながります。そのため当院でも専従の認定看護師を配置し、日々改善活動を行っています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
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8,348 | 3,789 | 45.39% |
栄養部では、管理栄養士が病棟ごとに担当することで、患者さんの食事摂取状況や嚥下機能の変化を日々観察し、食欲不振や栄養不良のリスクを早期に発見します。これにより、医師や看護師と連携し、食事内容や形態、栄養補助食品の調整を迅速に行います。
患者さんが安心して治療に専念できるよう、私たち管理栄養士が全力でサポートします。
身体的拘束の実施率
退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
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198,051 | 3,813 | 1.93% |
当院における身体的拘束最小化について
当院では、「あたたかい医療」という病院理念のもと、すべての患者さんの人間としての尊厳と人権を大切にしています。私たちは、患者さんが安心して治療を受けられるよう、できる限り身体的拘束を行わない医療を目指しています。
【緊急やむを得ない場合の対応】
患者さんや他の方の命や安全を守るため、緊急でやむを得ない場合に限り、身体的拘束を行うことがあります。その際には、切迫性・非代替性・一次性の3つの条件をすべて満たしているかを慎重に判断しています。
【身体的拘束最小化への取り組み】
身体的拘束は最小限にとどめ、できる限り他の方法を考えます。また、患者さん自身の意思や選択を尊重し、できることを引き出すよう努めています。どうしても身体拘束が必要な場合には、患者さんやご家族の理解と協力のもと、短時間で済むように、医師・看護師・薬剤師・理学療法士など多職種で話し合いながら慎重に実施しています。
更新履歴
2025/09/30:初版
医療法における病院等の広告規制について
(厚生労働省)