薬剤部
薬剤師レジデント制度
薬剤師レジデント制度の紹介
詳細は以下の本編(4部構成)をご覧ください。
- レジデントへのインタビュー編 [約16分]
- 福岡大学病院レジデントプログラムの解説 [約14分]
- 保険薬局研修を経験したレジデントのインタビュー編 [約13分]
- 手術室で活躍する薬剤師の紹介 [約6分]
内容
当院の薬剤師レジデント制度は、指導薬剤師(実務担当プリセプターおよび研究担当メンター)のもと、病院薬剤師として基本業務全般・高度専門的臨床能力を備えた薬剤師を育成します。2年間の研修期間のうち、1年間で調剤・調製・DIなどのセントラル業務および病棟業務・専門講義・他施設研修(筑紫病院・製薬会社)等を中心に研修します。また、希望者は保険薬局の研修(有給)も可能です。
年間研修スケジュール
4月に調剤研修、5月に病棟事前研修・PBLトレーニングを経て、中央業務(調剤・調製・DI等)を1ヶ月毎、病棟業務を2ヶ毎に実務研修を行います。また、手術部・救命救急・治験・薬剤師外来業務などの先進的な薬剤師業務の研修も行います。
臨床研究・発表
レジデントは1年目から臨床研究および学会発表を必須としています。また、研究能力の向上に、英語論文紹介や、日々の臨床業務からclinical question(臨床的疑問)を創出するトレーニングとして症例報告を行っています。
研修終了後の進路
福岡大学病院または連携施設、大学病院、国立病院機構等、研修修了者の多くは、知識・技術を活かして病院薬剤師として活躍しています。
主な就職先
福岡大学病院/福岡大学筑紫病院/福岡大学西新病院
九州大学病院/産業医科大学病院/久留米大学病院/福岡歯科大学医科歯科総合病院
北海道大学病院/筑波大学附属病院/神戸大学医学部附属病院/宮崎大学医学部附属病院/琉球大学医学部附属病院/東京女子医科大学病院/順天堂大学医学部附属病院
九州がんセンター/九州医療センター/福岡赤十字病院/福岡市立こども病院/福岡市民病院/済生会福岡病院/福岡徳洲会病院/福岡山王病院/白十字病院/篠栗病院/福岡新水巻病院
募集要項
募集人数 | 若干名(最大8名) |
---|---|
研修期間 | 1-2年間 |
勤務形態 | 薬剤師(非常勤契約職員) |
勤務時間 | 平日8時30分~17時30分(休憩60分) |
休日・休暇 | 土日祝日・年末年始・リフレッシュ休暇、6ヶ月以降有休取得可 |
社会保険等 | 労災保険、雇用保険、私学共済保険加入 |
- お問い合わせ
- 薬剤部 医薬品情報室
- FAX
- 092-862-8800
- hyaku-di@fukuoka-u.ac.jp
Interview(当院で働く先輩からのメッセージ)
2023年度修了者
「大学院修了後のレジデント選択」
私は大学院博士課程修了後に、レジデントを選択しました。大学院時代は、マウスに漢方薬を投与する実験でしたが、実際の患者ではどうなのかと興味があり、レジデントの研究テーマとしました。人を対象とする倫理審査の方法や、基礎研究とは異なる臨床データの統計解析に苦労しましたが、丁寧な指導のおかげで充実した毎日でした。当院は実務だけでなく、研究についてもしっかり学べる体制が整っているため、臨床研究もしたいという方は、是非当院のレジデントを希望してはいかがでしょうか。
「1年間のレジデントの成果」
当院のレジデントプログラムは、臨床経験もしたい!研究もしたい!人は是非チャレンジしてください。経験豊富な薬剤部職員や、薬学部の教員指導のもと、研究に取り組むことができます。臨床研究は、学生時代の基礎研究とはまた違った面白さがあります。仕事と並行する大変さはありましたが、研修中のテーマを学会で発表し、海外の論文※に筆頭著者として掲載できました。この経験は、今後の薬剤師人生における財産になっています。
※Journal of Clinical Medicine Research Vol.16, Aug 2024.
2022年度修了者
「専門薬剤師が多い職場でのレジデント研修」
研修はチーム医療の最前線を体感できます。例えば、がんの専門資格を持つ先輩は、患者の体調変化や検査値から、減薬の必要性を感じ、医師と協議して、副作用を未然に防いでいました。私も一緒にその現場を経験し、新たな学びと自身の視野を広げることができました。また、困った時はすぐにプリセプターに相談できる体制も心強いです。それぞれのスペシャリストから指導してもらえる。そんな環境で、薬剤師として成長したいという方は、レジデント研修がおすすめです。
2021年度修了者
「保険薬局の研修との両立について」
レジデント研修時代に病院と薬局の仕事を両方経験できたことは、大きな自信に繋がりました。薬局では、当院に採用の無い薬の調剤経験や、患者さんが何人も待っている多忙な状況下での投薬技術、在宅医療における薬剤師の役割など、薬局ならではの業務を幅広く経験できました。特に病院と薬局を両立することにより、どのような情報がお互いの連携に有用かについて管理薬剤師と相談できたことは、現在の服薬指導にとても役立っています。
2020年度修了者
「レジデントを1年間修了して大変だったことは何ですか?」
業務研修と臨床研究を並行して行っていくことが大変でした。レジデントプログラムは毎年内容が濃く、色々な業務を経験することができます。一方で自分の知識不足を痛感することも多く、毎日の自己研鑽で補えるように努めました。その他、英論文読解や症例報告も必須のため、ガイドライン等を参考に準備が大変でしたが、認定・専門を持つ先輩やプリセプターのおかげで発表することができました。他施設の1年目では経験できないようなことを多く学ぶことができ、今後の薬剤師人生の糧になると思います。
「レジデントの経験を踏まえて求める病院薬剤師像は?」
レジデント研修中に新薬に関する英論文を読解し、発表を行った新薬の治療を目の前で経験することができました。その経験の中で、指導の専門薬剤師の先生が患者に寄り添った服薬指導や、医師に対しての積極的な薬物治療の提案などを行っている姿が忘れられません。私もこのような薬剤師になれるように、日々の研鑽を行い、患者さんへ安心で安全な薬物治療に貢献できるようになりたいと考えています。
「応募者にメッセージをお願いします!」
毎年レジデントプログラムは、3月にレジデント修了者・経験者で集まり、次の年のレジデントプラグラムについて皆で検討しています。私たちの意見も入っているので、更にブラッシュアップされたプログラムで研修してみませんか。
2018年度修了者
当院のレジデント制度の魅力は何でしょう?
当院のレジデント制度の一番の魅力は、中央業務では全部署、病棟業務では全病棟26診療科で研修できる点です。職員として入職してからは固定の部署および病棟に配属となったのですが、日によっては他部署の手伝いをしなければいけない場面もあり、レジデントでの経験が大いに役立ちました。また病棟業務においても、薬剤師として幅広い疾患に対する治療薬の知識が必要となるため、全診療科で研修した際に得た知識を活かすことができています。これらは当院に就職した場合に限らず、今後も薬剤師として働いていく上で大きな強みになると思います。
薬剤部の中で、あなたの役割・目標はなんですか?
現在のレジデントと一番年齢が近いレジデント修了者として、プリセプターという役割を担い、レジデントの相談に乗ったり、指導したりしています。薬剤師歴としては浅く、未熟な点はたくさんありますが、一番後輩の気持ちを理解できる立場だと思っています。少しでも後輩にとって有意義な研修が送れるよう自分自身も日々成長していきたいです。
*プリセプター制度
新レジデント1名に対して一人の先輩薬剤師がついて、マンツーマンの指導を行う教育方法。主に2~3年目のレジデント経験者が担当し、臨床現場のリアリティショックを緩和し、安心して研修に取り組めるような相談役・全体のサポートを行う。
応募者にメッセージをお願いします!
当院のレジデント研修では、通常の1年間では経験できない程多くの経験ができ、充実した毎日を過ごすことができます。また、職場には優しい先輩方、尊敬できる先輩方がたくさんいるので、是非一度当院のレジデント制度を見学してみて下さい。
2016年度修了者
当院を志望した理由を教えて下さい
1年間で3年分の経験を積むことを目標としたレジデント制度に魅かれ、福岡大学病院を志望しました。中央業務では、全ての仕事を経験するスケジュールが組まれています。また、病棟業務では、大学病院ならではの特殊な診療科を含む多くの病棟を経験することで、ジェネラリストとしての知識を身に付ける事が出来ます。
薬剤部の中で、あなたの役割・目標はなんですか?
レジデント経験者として、現在のレジデントの直属の先輩(プリセプター)として、業務や精神面のサポートを行っています。また、臨床研究に精通している先輩に恵まれたこともあり、多くの助言を頂きながら業務の傍ら学会発表や論文の執筆を行ってきました。今後は、臨床研究を継続しながら専門分野をより深く追求し、スペシャリストとしての能力も高めていきたいと考えています。
*日本臨床救急医学会雑誌に論文掲載(筆頭著者)
応募者にメッセージをお願いします!
当院のレジデント制度が、目標の薬剤師像に近づける環境であると少しでも感じて頂けた方がいらっしゃいましたら嬉しく思います。私達と一緒に学びたい方を、是非お待ちしています。
2016年度修了者
当院のレジデント制度の魅力は何でしょう?
通常の職員は、病棟や中央業務がある程度長い期間固定されています。しかしながら、レジデントのカリキュラムは、それらを満遍なく学べるため、ジェネラリストとしての基礎を学べるのではないでしょうか。また、週1回は薬局で研修をすることも可能であり、病院薬剤師だけでなく薬局薬剤師の業務も学ぶことができます。レジデントとしての経験は、研修後の業務においても活かされる場面がたくさんあると思います。
薬剤部の中で、あなたの役割・目標はなんですか?
現在は、病棟と調剤の他に治験や手術部、緩和のチーム医療を中心に業務を行っています。レジデントの研修期間では学べなかった、より深い知識の習得と、患者さんによりよい医療を提供するため自己研磨に励んでおります。また、自分自身の成長だけでなく後輩の教育にも力を入れていきたいと思います。
*日本病院薬剤師会雑誌に論文掲載(筆頭著者)
応募者にメッセージをお願いします!
私は多くのことを凝縮して学べたため、とても充実した研修期間でした。先輩方も優しく、尊敬できる方ばかりで、とても働きやすい環境かなと感じます。是非、一緒に頑張りましょう!
2006年度修了者
認定薬剤師を取得するまでの経緯と、どのように現場で活かされたか教えて下さい
レジデント研修中にいくつかの病棟を担当し、職員になってからも病棟業務を中心に行っていく中で、病棟業務の面白さに気づきました。精神科病棟を担当したことをきっかけに、より専門的な知識を身に付けたいと思い、精神科薬物療法認定薬剤師の資格を取得しました。日々精神科病棟で患者さんと関わりながら、医師や看護師とディスカッションし、より良い薬物治療を目指せるよう努めるとともに、精神科分野の研究にも取り組んでいます。
*精神科薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会)日本精神薬学会 学会賞受賞
薬剤部の中で、あなたの役割・目標はなんですか?
現在は薬剤部の主任として、後輩の育成に努めるとともに、上司の指示も仰ぎながら、薬剤部内の業務がより円滑に行えるよう、日々模索しています。レジデント研修中に、全部署を回り全ての業務を経験できたことが、自分の部署だけでなく薬剤部全体を考えながら業務調整をしていくうえで、とても役立っていると思います。
応募者にメッセージをお願いします!
当院のレジデント制度は、通常であれば3年間かけて経験することを1年間で学べるといっても過言ではないくらい、凝縮されたプログラムになっています。また若手からベテランまで多くの職員が指導にあたるので、いろいろな相談に乗ってもらいながら、実践的で質の高い研修を受けることができます。ここで学んだことは、必ず薬剤師としての将来に役立つはずです。是非、当院で一緒に頑張りましょう。