福岡大学病院臨床指標
急性脳梗塞患者に対する早期リハビリテーション開始率
目標値:95%以上
必要データセット:DPC 様式1、EFファイル
解説:脳梗塞は、脳の血管が細くなったり、血管に血栓が詰まることで、脳に酸素や栄養が送られなくなり、その部位の脳組織が壊死あるいは壊死に近い状態に陥ってしまう病気です。脳梗塞により、運動障害、言語障害、感覚障害等の後遺症が残ることがあります。
発症後に寝たきりの期間が長くなると、体力の低下や認知機能の低下等が起こるため、早期からのリハビリテーションが重要になります。そして、後遺症に対する機能回復や日常生活の自立、早期の社会復帰を目指したリハビリテーションへとつなげていくことが求められます。ただし、休日のリハビリテーションを行っていない施設では、手術日によってリハビリテーションの開始が遅れる場合があるなど、施設の体制によって最短の日数が異なります。
データの対象期間:2019年度~2023年度(2019年4月1日~2024年3月31日)
※2019年度は「国立病院機構 臨床評価指標 計測マニュアル(Ver.3.1)」、2020~2021年度は「Ver.4.1」、2022~2023年度は「Ver.5」に基づき算出。
※2024年8月26日現在。
指標の定義・算出方法
分子:分母のうち、入院してから4 日以内にリハビリテーションが開始された患者数
分母のうち、入院EFファイルを参照し、入院年月日から数えて4日以内* に以下の算定があった患者を抽出し、分子とする。
- H001$ 脳血管疾患等リハビリテーション料 (注4:イ、ロ、ハは除く)
- A301$ 特定集中治療室管理料「注4」早期離床・リハビリテーション加算
* 1 ≦ 算定年月日 - 入院年月日 + 1 ≦ 4
分母:急性脳梗塞の発症3 日以内に入院し、入院中にリハビリテーションが実施された退院患者数
計測期間において、様式1の該当する傷病項目に以下の傷病名が記載されている退院患者を抽出する。
傷病項目:入院契機傷病名、医療資源傷病名
記載傷病名:I63$ 脳梗塞
このうち、以下の全てに該当する患者を抽出し、分母とする。
- 様式1の「脳卒中の発症時期」が「1 発症3日以内」の患者
- 様式1の「入院時意識障害がある場合のJCS」で「Ⅰ群(1、2、3)」あるいは「0無」に該当する患者
- 入院EFファイルを参照し、当該入院期間中に「H001$ 脳血管疾患等リハビリテーション料」(注4 イ、ロ、ハは除く)の算定があった患者
ただし、以下のいずれかに該当する場合は除外する。
- 様式1の入院年月日と退院年月日より入院期間を求め、3日以内(*)の患者
* 1 ≦ 退院年月日 - 入院年月日 + 1 ≦ 3 - 様式1の該当する傷病の項目のいずれかに以下のいずれかの傷病名が記載されている患者
傷病項目:入院時併存症または入院後発症疾患
- I21$ 急性心筋梗塞
- I23$ 急性心筋梗塞の続発合併症
- I60$ くも膜下出血
- I61$ 脳内出血
- I62$ その他の非外傷性頭蓋内出血
- I951 起立性低血圧(症)
- 様式1の「退院時転帰」が「6 最も医療資源を投入した傷病による死亡」、「7 最も医療資源を投入した傷病以外による死亡」に該当する患者