福岡大学病院臨床指標

急性心筋梗塞患者における入院死亡率

目標値:なし

必要データセット:DPC 様式1

解説:急性心筋梗塞を早期に診断し、適切に治療を行うことにより、死亡率の低下に繋げることが求められます。急性期心筋梗塞患者における入院死亡率の評価に基づき、今後の治療体制等の改善を図ることが求められます。

本指標の分母に含まれる急性心筋梗塞は、入院時Killip 分類(入院時の重症度)が「Ⅰ:心不全の兆候なし」あるいは「Ⅱ.軽度~中等症の心不全(肺ラ音、3 音、静脈圧上昇)」に該当したものを対象としています。

ただし、患者の年齢や基礎疾患等を踏まえた重症度については補正していないことに留意する必要があります。

データの対象期間:2018年度〜2022年度(2018年4月1日〜2023年3月31日)

急性心筋梗塞患者における入院死亡率

※2018~2019年度は「国立病院機構 臨床評価指標 計測マニュアル(Ver.3.1)」、2020~2021年度は「Ver.4.1」、2022年度は「Ver.5」に基づき算出。

※2023年10月1日現在。

指標の定義・算出方法

分子:分母のうち、退院時転帰が「死亡」の患者数

分母のうち、様式1 を参照し、「退院時転帰」が「6 最も医療資源を投入した傷病による死亡」、「7 最も医療資源を投入した傷病以外による死亡」に該当する患者を抽出し、分子とする。

分母:救急車で搬送された急性心筋梗塞の退院患者数

計測期間において、様式1 の該当する傷病項目に以下のいずれかの傷病名が記載されている退院患者を抽出する。

傷病項目:医療資源傷病名
記載傷病名:I21$ 急性心筋梗塞

このうち、以下の全てに該当する患者を抽出し、分母とする。

  1. 様式1 の「入院経路」が「1 家庭からの入院」の患者
  2. 様式1 の「救急車による搬送の有無」が「1 有」の患者

ただし、以下のいずれかに該当する場合は除外する。

様式1 の該当する傷病の項目のいずれかに以下の傷病名が記載されている患者

傷病項目:入院契機傷病名、入院時併存症
記載傷病名:I46$ 心停止

様式1 の「急性心筋梗塞(050030、050040)における入院時の重症度:Killip 分類入院時における重症度」が「3 Class 3 重症心不全、肺水腫」、あるいは「4 Class 4 心原性ショック(収縮期血圧<90mmHg、末梢循環不全(乏尿、チアノーゼ、発汗))」に該当する患者